猫の住環境 日用品の危険Vol.1

猫の住環境というと皆さんは何を思い浮かべますか?
キャットタワー、キャットウォーク、猫ベット、エアコンなどの空調などでしょうか。
初回の今回は、普段何気に使っている日用品の危険性についてお話します。

皆さんは「香害」という言葉を聞いたことはありますか?
最近は新聞やネットニュースなどでも「香害」が取り上げられるようになりましたから知っている人もいるでしょう。
では、「化学物質過敏症」は聞いたことありますか?

猫は犬と同じようにとても鼻が利く動物です。
人間と比べて約数万倍~数十万倍鋭いと言われています。
これは人間より強く臭いを感じているという事ではなく、微細な臭いを利き分ける能力があるという事です。

よく言われているのが、猫と暮らしている部屋で、エッセンシャルオイルなどのアロマ用オイルを炊いてはいけないという事。
猫は真性肉食動物なので、植物に対して肝臓の解毒機能が働かないため危険です。
鼻から吸入するほか、皮膚に浸透したり、被毛に着いたオイルをなめて摂取してしまう危険があります。
その中でも毒性が強いのはティーツリー、ユーカリ、カモミールなど。
嘔吐、下痢、中枢神経症状、麻痺、肝障害、誤嚥性肺炎などを起こします。
他のオイルがどれだけ猫に危険かは研究が進んでいないので、猫と暮らしている方は使わない方が賢明でしょう。

「香害」ですが、主に家庭で使用されている洗剤や柔軟剤、抗菌消臭スプレーなどによって起こる健康被害の事を言います。
ここ最近の柔軟剤はフローラルな香りが何週間も、マイクロカプセルやナノカプセルによって続きます。
その人工の香り成分を毎日のように体内に取り込んでしまうと、頭痛、はきけ、めまい、せき、だるさなどの症状が出てくる人がいます。
これを「香害」と最近は言っているのです。
医学的には「化学物質過敏症」と言って、保険診療認定されている病気です。
ずっと頭痛などの症状で悩んでいる方は、今使っている洗剤や柔軟剤を自然派の物に替えてみると治まるかもしれませんよ。

私の友人はコロナ禍で自宅にいる事が多くなり、マンションのお隣さんの毎日ベランダに干される洗濯物の柔軟剤を半年間浴び、「化学物質過敏症」を発症しました。
友人は柔軟剤などの臭いのする乗客が乗ったバスや電車に乗れませんし、人が居なくてもシートに残ったマイクロカプセルの臭いで具合が悪くなります。酷い時には卒倒してしまい、外出できなくなりました。もちろん仕事もできませんし、服に着いた臭いで友人にも会う事もできません。
発症した後の臭いはフローラルな香りではなく、化学薬品様な耐えられない異臭に感じるそうです。
一時は社会生活もままならなくなり、自死も考えたそう。

人間でそうなのですから、人間より弱く鼻が利く猫に対しての影響はどうでしょうか?
今の猫は外に出さない完全室内飼いが推奨されていて、一日中室内で生活しています。
室内干しの洗濯物の柔軟剤の臭いや化学物質から逃れられません。
アロマと同じで、鼻から取り入れるのはもちろん、猫は自分の身体や同居猫の身体をグルーミングをするので、マイクロカプセルを口からも取り入れてしまいます。

家の猫は柔軟剤の臭いが付いた服を着ていても近寄ってくるし、臭いが付いたベットカバーの上でお昼寝しているよという方もいるでしょう。
猫は鼻は利きますが、微細な匂いをかぎ分ける事が出来るのであって、自然にない科学的な臭いには人間と同じように嫌な臭いとして反応しません。
あなただって「化学物質過敏症」を発症していなければ、フローラルないい香りと感じたままでしょう。
猫だって同じです。暴露して発症すると科学的な激臭として襲ってくるのです。

猫は言葉を話せませんから、嫌だとか、苦しいとかという状況を飼い主にうまく伝えられません。
最近凶暴になった、元気がなくなった、嘔吐がひどくなった、訴える様に鳴き始めたなど、おかしな行動をするようになったら、使っている洗剤や柔軟剤、抗菌消臭剤の使用をやめて下さい。
おかしな行動を起こさなくても今すぐ製品を替えたほうがいいですよ。
他の原因もありますから、止めてしばらくしても治まらない時は速やかに獣医さんの診療を受けて下さいね。

「化学物質過敏症」は花粉症みたいに免疫系統に作用するのではなく、視床下部などの大脳辺縁系の本能を司る神経系に作用すると言われていますので、現在治療薬もないし治る病気でもありません。
苦しまないためには作用する化学物質のない環境を用意するしかないのです。
猫の健康の為ですが、一緒に暮らす飼い主さんにも大変影響のあるものですから、使用するのは控えた方がいいでしょう。

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